虹のかなたに

たぶんぼやきがほとんどですm(__)m

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第18回 故郷は遠きにありて思ふもの

室生犀星に『小景異情』という作品がある。故郷に対する愛憎相半ばする想いを詠った抒情詩であるが、「ひとり都のゆふぐれに/ふるさとおもひ涙ぐむ/そのこころもて遠きみやこにかへらばや/遠きみやこにかへらばや」に表される静かな激情は胸に迫るものが…

第17回 おもひでぼろぼろ

もう20年くらい前の作品で恐縮であるが、原田宗典のエッセイ集に『十七歳だった!』というのがある。氏のエッセイは軽妙な独特の筆致が好きで一時はよく読んでいたものであり、私が自身の駄文において「……なのだった」という文末表現を好んで用いるのは恐ら…

第16回 それは先生

前回、「先生への憧れ」について述べたが、現実はそう甘いものではないらしく、私が現業でマネージャーをやっていたときに働いてくれていた当時の学生バイト君たちのうち、結構な数がその後教職に就いたのだが、その約半数が既に退職した。「君たちに俺のか…

第15回 僕らは夢見ているか

些か比喩的ではあるが、私の生業は「夢を売る商売」である。実に尊い仕事に従事していると思う。しかし、逆説を弄する訳ではないがこれまで、人に「夢を持とう」などと言ったことはただの一度もない。特に相手が若い人である場合、それが、その人の将来の可…